春は出会いと別れの季節

今年も一人の若者が俺達の道場から巣立って行くことになった。
喜多方市から会津若松市の高校に通っていたエリヤだ。昨日が
彼の最後の稽古参加になった。

一応予定では最後に「送別組手」で当日の稽古参加者全員と接して
・・と思っていたのだが、このところの急な大雪で電車が止まり、また
エリヤ自身も風邪をひいてしまい少し熱もあるとのこと。ちょっと残念
ではあるが稽古終わり時間に合わせわざわざ顔を出してくれること
になった。

一昨年の6月、偶然この俺が作っている素人丸出しのホームページ
に訪れてくれたのが彼の入会きっかけだった。当時の火曜日はまだ
子供のクラス等も始めておらず、毎回メンバーは黒帯茶帯の3～4人
のみのことがほとんどだった。

稽古の前日、お母さんから電話を貰った際「そんな感じの稽古を見て頂く
のもまあ良い機会かもしれません」等と話してはあったのだが、ほぼ初め
て空手を見る親子にはちょっと当たりが強めのスパーリングやミット中心の
稽古は思ったより刺激的だった様で・・・帰る頃にはお母さんがガックリと疲
れた様子で、おそらくすっかり引いているだろうことが俺にも良く分かった。

一方エリヤはなぜか目をキラキラさせて見ていた様に（気のせいかもしれ
ないが・・・）見えて不思議な感じだった。

稽古の翌日すぐにまたエリヤのお母さんから電話があった。ああ・・やっぱり
初めての人に見せる稽古では無かったかな・・・と実は後悔の思いがよぎった
のだが、電話は何と「息子が是非やってみたいと言っている」との内容
・・・正直かなり驚いた。

稽古にも学校同様に電車で通って来てくれ、土曜はいつも一番に稽古場所に入り
準備して待っていてくれた。そして毎回ものすごく良い笑顔で俺を出迎えてくれた。
学校の都合によっては火曜日の稽古にも参加してくれた。

来月から進学で仙台市に行くエリヤは、宮城支部で空手を継続することが決まっ
ている。本当にうれしいことだ。新しい道場でも是非良い友人をたくさん作って頑張
って欲しいと思っている。

人の親としての立場から言えば、くれぐれも学業優先で・・・・ね。
帰省した時にはまた是非一緒に稽古しよう。

別れもあるが出会いもあるのが春。昨年位からまた新しい会員が徐々に増えて来
ている。この春もまた新しい仲間が少しでも増えてくれるといいね。