今朝

テレビで偶然ボクシングの「おやじスパーリング大会」というものに出場した
人のドキュメンタリー番組を見た。その大会は会津のボクシングジムで行われ
たのだそうだ。(会津にもあるのよボクシングジムが！)
首都圏ではおじさんのキックボクシング大会ややはりおじさんの総合格闘技の
大会「おやじバトル」なるものもあるそうだ。

我々空手の壮年部の大会も何だか年々選手層が充実して来ている。それどころか
もうとっくに壮年部の年齢なのに普通に若い人たちに交じって一般部の試合に出
続けている人も大勢いて本当に驚かされる。別に元気で丈夫な中年が増えたとい
う事だけではなくそうした厳しい事に諦めずに挑戦し続けようという意欲を持っ
た人達が増えた結果なのだと思う。

そして何と言っても俺達の三瓶先生は５０代半ばにして日々当たり前に自分自身
の稽古をし何と試合にも挑み続けているすごい人だ。普通この年齢で流派の最高
段位を持ち、更には現役選手当時の全日本大会で三連覇という実績まで残しなが
らいまだに挑み続けているというのはあり得ない話に思える。何といってもこん
な形で見た目や小手先の技術では無い空手という武道の本質を示して下さる先生
はそうそういないと思う。

会津での飲み会の席で試合の話になった時「痛いのと勝ちたいのとどっちを選ぶ
かとなれば勝ちたいを選ぶ。そうすれば何が来ても耐えられる。」という様な事
を話された事があった。言葉にしてしまえばそれだけの事なのだが、実際にその
場で先生の口からその言葉を聞いた時はその何とも言えない凄みに鳥肌が立った
のを憶えている。

若い時も当然そうだが、家庭・仕事その他諸々を背負ったおじさん世代は特に
試合等に挑戦する場合まず相手以前に自分との闘いが大変だ。何しろ別にやら
なくても良い事な訳だから挑む事を止める口実は若い時より何倍も見つけ易い。
何より気になるのは一家の大黒柱として必要なお金を稼がねばならないからま
ず第一に仕事の事・・・挑もうとするほどお金もかかるし、仕事に支障を来す
かもしれない怪我も心配。その他様々な葛藤を経て挑戦に至る。そんな仲間が
年々増え続けている状況は本当に喜ばしい限りだ。但し皆が余りにも強敵揃い
なので時々複雑になるけどね・・・。

俺もずっとずっと一番後ろの方ではあるがそんな凄い先生の弟子として出来る
挑戦をこれからも続けて行こうと思う。さて明日は隣県で会津の会員三人が試
合に挑戦する。そしてそんな挑戦の傍ら何とか会津をより魅力ある道場にし、
仲間を増やしていく事も諦めずに頑張って行かねばならない。